『エセルとアーネストふたりの物語』：たそがれ日記：SSブログ

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『エセルとアーネストふたりの物語』　[映画] [編集]

雨が降っているし、図書館で借りた本があるし、家で静かに過ごしたかったが、テニスクラブが休みの日は映画と決めている連れ合いに素直に従って、今日も映画へ。岩波ホールで、イギリスのアニメーション映画『エセルとアーネストふたりの物語』を見た。

原作はイギリスの有名な絵本作家、レイモンド・ブリッグズ。彼自身の両親の人生を描いた作品。１９２０年代後半、メイドのエセルと牛乳配達のアーネストはロンドンで出会い、結婚。郊外に小さな家をローンで買い、２人の希望に満ちた生活が始まる。そして、３年後に待ちに待った息子が誕生。しかし、息子が５歳になった頃、戦争の影が忍び寄る。息子を田舎に疎開させ、空襲にも遭うがなんとか家族は無事に終戦を迎える。成長した息子は奨学金を得て、グラマースクールに入学するが、中退して美術学校に入ってしまう。オックスフォードかケンブリッジに行って、いい職に得ることを期待していた両親はがっかりする。

戦争を挟んで激動の時代を生きた平凡な夫婦の物語で、暮らしぶりが丁寧に描かれている。２人の会話が日常のことから政治・経済まで多岐にわたり、興味深い。ドラマチックな事は起こらないが、温かい気持ちになれる作品。映像もエンディングのポール・マッカートニーの歌も素敵だった。