『スキャンダル』

３日連続のテニスはきついので、映画に行く。先だってのアカデミー賞で、メイクアップ＆ヘアスタイリング賞を受賞した『スキャンダル』を観た。２０１６年、アメリカのテレビ局、FOXニュースの女性キャスターが同社のCEOをセクハラで告発した実話に基づき、製作された作品。

FOXのCEO、ロジャー・エイルズは自社のニュース番組を見ていて、もっとキャスターの脚を映せと現場に命令するような男。会長室に社内の女性たちを呼びつけては、そこで回ってみろとかもっとスカートを上にあげてみろとか要求し、挙句の果ては仕事が欲しかったら、自分の言うことを聞けと性的行為を迫る。ベテランで元人気キャスターのグレッチェンがクビになり、彼女はロジャーをセクハラで訴える。メディア界は大騒ぎになり、花形キャスターのメーガンも動揺する。彼女も実はロジャーからセクハラを受けた一人だったのだ。初めは、社員たちはロジャーを会社を大きくした功労者と讃えていたが、やがて何人もの女性たちが被害を告白。彼はオーナーのマードックから、解雇される。

＃MeeToo運動が起きたのはFOX事件の１年後。映画界の大物プロデューサーの長年にわたる女優たちへのセクハラがきっかけだった。それからは怒涛のごとく、セクハラの告発が世界中で起きた。どの世界でも男たちは権力を振りかざして、女性を自分の思うままにしようとする。そのことを悪いとか、女性を傷つけているとか思わないところが恐ろしい。自分の妻や娘がそういう扱いをされたらと想像することがないのだろうか。勇気ある女性の告発で、１人の権力者を退職に追い込むことができたけれど、同じような輩がどこにでもいるはず。日本でも伊藤詩織さんや写真家の広河隆一が話題になった。文春も不倫ネタばかりでなく、もっとセクハラ男を告発してほしいものだ。


雪下キャベツ料理第三弾は、回鍋肉（ホイコーロー）。