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「暗幕のゲルニカ」を読む [読書]

鰻を買いがてら、林試の森公園に散歩に行こうと10時前に家を出た。ところが、数分もあるかないうちに雨が降り出す。持っていた折り畳み傘を差したが、あっという間に土砂降りになり、家に引き返した。午後には晴れ間が出たけど、今日はもう行く気になれず、家で読書とGYAOでドラマを観て過ごす。夕方、図書館に行くのに外に出たら、風がひんやりして、気持ち良かった。でも、まだ夏の終わりとはいかないのだろうな。

テニス仲間からの情報で、原田マハさんの作品を初めて読む。ほかの作品を推薦されたのだが、図書館ですぐに借りられたのが「暗幕のゲルニカ」だった。

スペイン内戦時代、バスク地方のゲルニカがナチスの無差別空爆で破壊された。ピカソがパリ万博のスペイン館に展示するために描いた絵画が「ゲルニカ」で、当時はそれほど評価されなかったが、のちに反戦のシンボルとなる。このゲルニカ製作の過程がピカソの愛人ドラの目線で語られる。同時に9.11後のニューヨークの美術館でキュレーターとして活躍する日本人女性ヨーコのゲルニカとの関わりが描かれる。過去と現在が交互に描かれ、最後にひとつの物語になる。

9年前、スペインの巡礼路を歩いた時にマドリッドに寄り、ゲルニカを見た。そのこともあり、ゲルニカがピカソによって生み出され、現在の場所に展示されるようになるまでの歴史を興味深く読んだ。もちろん小説なので、史実ばかりではないだろうが、1枚の絵画をめぐるさまざまなエピソードに好奇心がそそられ、一気に読み終えた。当分の間、この作者の本を読むことになりそう。

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2011年にソフィア王妃芸術センターで見たゲルニカ
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