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「今度生まれたら」を読む [読書]

今日も暖かい日だった。陽射しが燦々と降り注いだので、黄砂は昨日ほど多くなかった模様。朝一番で、連れ合いに同行して銀行へ。昼近くにはスーパー、コーヒー豆屋、パン屋と2人で回った。

午後はもっぱら読書に精を出す。大分前に図書館に予約して、ようやく順番が来た内館牧子著「今度生まれたら」を一気読み。

主人公の夏江は70歳になり、自分の人生を振り返り、その都度選択してきた道が果たしてよかったのかと思い始める。成績が良い娘に母親は国立の4年制大学を勧めたのに、結婚に有利な短大を選び、エリートサラリーマンと社内結婚をし、2人の息子にも恵まれたけれど、古希を迎えた今になって、別の道もあったのではないかと心が揺らぐ。夫は歩く会に入って、第二の人生を楽しんでいるが、自分の苛立ちを埋めてくれるのは趣味ではない。かと言って、やり直しのきかないこの年で何をやればいいのかと焦燥感にとらわれる。

作者も主人公も読者の私も団塊の世代。主人公の心情は理解できないこともないが、計算高く、建前と本音を常に使い分けているような人物像にちょっとがっかり。確かに生きてきた時代のせいもあるのかもしれないけど、世間の価値観がいいと思って生きてきたあなたが悪いんじゃないのと言いたい。

内館さんの老人物3部作「終わった人」、「すぐ死ぬんだから」と本作をすべて読んだが、一番面白かったのは、「終わった人」。


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チューリップがあちこちに咲いている。
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