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『巡礼の約束』 [映画]

久しぶりに神保町まで出向いて、岩波ホールで、『巡礼の約束』を観た。チベット人監督によるチベット人家族の巡礼物語。

ウォマは、足の不自由な義父の世話をしながら、再婚した夫のロルジェと山の中の村で暮らしている。ある日、ウォマは聖地ラサに巡礼に行くことにしたと唐突に夫に告げる。しかも五体投地でラサを目指すと言う。両手・両膝・額を地面に投げ伏して礼拝を行う五体投地は1日にせいぜい数㎞しか進めない。2カ月後、巡礼中のウォマの元に妻の病を知ったロルジェが駆け付け、ラサ行きを止めて大きな病院で治療することを勧めるが、前夫のように管につながれて死ぬのは嫌だと妻は断る。そこに実家に預けている息子ノルウがウォマの弟に連れられてやって来る。そして、夫婦とノルウの3人での巡礼の旅が始まるが、途中からは、血のつながりのないロルジェとノルウの2人旅になる。

前夫との約束を果たそうと病身で巡礼に出た、ウォマ、妻の思いを知って、妻の亡くなった前夫に嫉妬するロルジェ、母を奪ったロルジェに反発するノルウ。それぞれの思いが交錯する巡礼の旅。さまざまなチベットの風習を通して、夫婦、親子の関係、そして、死が淡々と描かれる。セリフは少ないが、心に沁みる作品だった。

13年前のチベット旅行の際、五体投地で巡礼している人を見かけた。荷物を積んだリヤカーを引く家族が同行していたが、チベット人の現地ガイドに聞いてもらったら、ラサまで何カ月もかかる気の遠くなるような道程だった。バスから降りて、ツアーメンバーで喜捨したのを思い出す。

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牛肉・児菜(つぼみ菜)・パプリカ・マイタケのオイスターソース炒め。児菜とパプリカは弟から。
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