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『ブータン 山の教室』 [映画]

神保町の岩波ホールで『ブータン 山の教室』を観た。コロナ騒ぎになってから、映画は近場で観ていたので、岩波ホールまで出かけたのは昨年2月以来。10人前後の観客しかいない状況での映画鑑賞が続いていたが、今日は100人近くの観客がいてびっくり。東京で1館のみの上映で、しかも話題作だからか。

『ブータン 山の教室』は1983年生まれの若きブータン人監督の作品。教師のウゲンは、いつかオーストラリアに渡り、歌手になる夢を抱いている。ある日、上司からルナナの学校に赴任するよう告げられる。そこは、車で行ける町から徒歩で1週間もかかる、標高4,800mの地にあるブータンで最も僻地の村だった。首都ティンプーで、現代的な生活を送っていたウゲンは、電気もない、携帯も通じない所に着いた途端、帰りたくなる。しかし、自然を崇め、感謝しながら暮らす村の人々や純粋な子どもたちに接するうちに、彼の中で何かが変わってゆく。

圧倒的な大自然の映像、瞳がキラキラ輝いている子どもたち(現地の子どもたちが演じている)、ヤク飼いが歌う「ヤクに捧げる歌」など、すべてが心に沁みる映画だった。お勧め!

ブータンでテレビとインターネットが解禁になったのが1999年。それまでは鎖国状態で、独自の伝統や文化を頑なに守ってきたが、外の世界へのドアが開いてからは急激に社会が変わった。9年前にツアーでブータンに行ったことがある。その時も若い人たちが田舎から首都のティンプーにどんどん出てきていると聞いた。いっときは幸福の国ともてはやされたが、外からの情報によって価値観や幸福感も変わってきているかもしれない。

ブータン旅行記:https://clifton.blog.ss-blog.jp/2012-04-08

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岩波ホールに行った時、たまに寄る「六法すし」でお昼を食べた。
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