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「一路」を読む [読書]

連れ合いのテニスレッスンに付き添う。月曜日と違って、風がなかったため、ボールがちゃんとラケットに当たっていた。行きも帰りも、懐かしいテニスクラブの皆さん方のお顔を見ることができて、ラッキー。午後から雨との予報に、皆さん普段より早めにクラブにいらしたようだ。

浅田次郎著「一路」を読んだ。江戸末期が舞台。西美濃の蒔坂家は知行七千五百石の交代寄合旗本で、参勤の義務がある。参勤交代を仕切るのがお供頭。その職にあった父の不慮の死により、息子である若干19歳の小野寺一路がお供頭となる。父からお役目の内容について、一切聞いたことのなかった一路は祖先が記した「行軍録」を頼りに、80人を率いて師走の中山道を歩み、江戸を目指す。

お役目を果たせなければ、家禄召し上げという切羽詰まった状況の中で、懸命に行軍を続ける一路。大雨や大雪、殿様の発熱などのトラブルに加えて、同行者の中に御家乗っ取りを企む一味がいることを知り、行軍は困難を極める。果たして、期限内に無事江戸に着けるか。

殿様はじめ行軍に加わっている家中の者、道中に出会う人たちなど登場人物が多彩で面白い。特に殿様の言動には笑える。読んでいて、中山道を一緒に歩いているような気分になった。泣けて、笑えて、痛快で、すこぶる楽しい時代小説。

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クジャクサボテンが開花。昨年より10日早い。
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