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『半世界』 [映画]

有楽町のスバル座へ、阪本順治監督の『半世界』を見に行く。いつもチェックする映画のサイトで、かなり高評価だったが、ミニシアター3館でしか上映されていないので、どうしようかなと迷っていたら、スバル座で上映することがわかった。

地方の町で、父の跡を継いで炭焼きを生業にしている紘は39歳で中学生の息子がいる。毎日淡々と仕事をこなしているが、息子のことなど家庭は妻任せ。ある日、8年ぶりに帰郷した中学時代の仲間だった瑛介と再会する。瑛介は自衛隊を辞め、妻とも離婚し、廃屋になっていた親の家に住み始める。もう一人の仲間、光彦と昔のように3人での付き合いが始まるが、瑛介は心を閉ざして、何があったのか、語ろうとしない。

取り立てて大事件が起きるわけでもなく、田舎で暮らす人々を3人の同級生を軸にして淡々と描いているが、なぜか心に沁みる、そして余韻が残る作品だった。脚本もいいし、俳優陣が全員見事な演技を見せてくれた。監督のオリジナル脚本で作られた映画は『万引き家族』以来かな。10月に閉館するスバル座で、心に残る邦画に出会えてよかった。

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近所のレンギョウが満開
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