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「コンタクト・ゾーン」を読む [読書]

朝から断続的に激しい雨。8時頃にいったん弱まったので、鍼灸院の予約を取り、9時に家を出る。こんな雨の日の電車はガラガラかと思ったら、結構席が埋まっていた。運が良いことに行きも帰りも小雨程度ですんだ。

このところ篠田節子さんの作品を続けて読んでいる。今週読み終えたのは「コンタクト・ゾーン」。東南アジアの島にある高級リゾートホテルに日本からやって来たのは、30代半ばのシングル女子3人組。日頃のうっ憤を晴らし、ブランド品を買いまくって帰国するつもりでいたら、内乱に巻き込まれてしまう。滞在客らが皆殺しにされたホテルから命からがら逃げだし、たどり着いたのが同じ島の山間部。テレビが1台しかない未開の村で、村人たちにかくまわれながら、彼女たちは三者三様の生き方で、サバイバルに挑む。

かつて日本軍がこの島を蹂躙したという歴史も知らず、贅沢三昧のバカンスを過ごそうとやって来た女性たちがゲリラや村人と過ごすうちにさまざまなことを学び、たくましく変わっていく様が痛快。かなり長かったけど、面白かった。

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目黒線緑道の花壇の花
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「弥勒」を読む [読書]

2日ぶりのウオーキングは蒸し暑く感じた。家に戻ってからシャワーを浴びたのは久しぶり。2日間引きこもっていた連れ合いを外に出すために、昼近くにパン屋へ。エレベーターが点検中で使えず、階段を下りる羽目になる。本人も不安なのか私が手すりにつかまって下りていたら、同じようにしていた。3階なので、ついこの間までエレベーターを使わずに下りていたのに帰りも手すりにつかまって上がった。

篠田節子著「弥勒」を読んだ。新聞社の事業部で美術展開催などの仕事をする永岡は、かつて訪れたことのあるヒマラヤの小国パキスム王国に政変が起き、一切情報が入ってこなくなったことを知る。出張でニューデリーに行った彼は1週間の休暇を取り、パキスムで何が起きたのか自分の目で確かめようとインドから潜入する。

首都カタ―で永岡が見たのは、無人となった街の寺院に折り重なる無数の僧や尼僧の死体だった。インドに戻ろうとする永岡は途中で革命軍に捕らえられ、山村のキャンプで強制労働をさせられる。やがて軍が決めた相手と集団結婚までさせられ、壮絶な日々を送ることになる。あらゆる宗教を否定し、子どもは親ではなく集団で育て、大人は共同で農作業をして、食事も同じものを一緒に食べる。すべてが平等という原始共産制を押し進める革命軍は殺戮を繰り返し、やがて理想とはかけ離れた方向に行きつく。

訪れたことのあるチベットやインド、それにブータンを時折思い浮かべながら読んだが、ノスタルジアに浸っているゆとりはなかった。永岡が極限状態で体験する出来事が読み手に緊張を強いるからである。宗教、信仰、政治、文化、人権など突きつけられるテーマが多くて、読み終えたら、ぐったりと疲れた。でも読み応え十分の作品。


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洗足池の水面に映る雲

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萩の季節

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田舎の友達から大きな桃が届く。シーズン最後に送ってと頼んでおいてくれたらしい。実が大きいのは、遅霜でやられて実の数が少なかったせいとか。早速3時にいただいたら、さすが福島の桃、美味しかった!今頃桃が食べられるなんて、幸せ。
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「インドクリスタル」を読む [読書]

今朝も洗足池まで往復する。曇っていて吹く風も涼しく、快適なウオーキングだった。帰宅してエコバッグを持って、1人でスーパーへ。毎朝食べる宮城県産の「川口納豆」を売っているスーパーで、1週間分7パック買う。1パックで2-3人前の量がある。買い物を終えてからシャワーを浴びて、ゆったりと過ごす。連れ合いは家から一歩も出ず。今日はあまり″疲れた″が出なかった。

篠田節子著「インドクリスタル」を読んだ。日本の人工水晶製造会社の経営者、藤岡がインドの高純度のクリスタルを手に入れようとインドに赴き、悪戦苦闘する話。そこに謎めいた少女、ロサがからんできて、サスペンス的様相を帯びる。普通の商取引など通じない部族とのやりとりを通じて、貧富の差、男尊女卑、テロ、NGOなどインドの闇が描かれる。

よくぞこれほどまで深くインドの社会構造を描けたものだとその取材力に圧倒された。物語としても一気に読ませる筆力があり、読み応え十分。インドは以前12日間のツアーで行ったことがある。混沌としていて、なんでもありの国だなとは感じたが、この本には私の想像を超えるインド社会が描かれていた。


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日曜の朝茶は抹茶

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洗足池を一周したあと、このベンチに座って瞑想をする。たった10分くらいだけど、頭がスッキリする。

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アオサギ

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歩いていて見かけたタマスダレ
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「ブラックボックス」を読む [読書]

朝から曇天で、夕方から雨になる。途中で降りだしたらと洗濯物が心配で結局外出しなかった。

篠田節子著「ブラックボックス」を読んだ。ある地方の町で、大手メーカーが開発したハイテク農場を営む剛、会社の不祥事で東京から逃げ帰り、深夜のサラダ工場で働く栄美、離婚後に故郷に戻り、学校の栄養士をしている聖子。3人は中学校の同級会で何年かぶりに会う。やがて、栄美の職場の外国人労働者の中に体調不良を訴える者が出てくる。聖子は給食を業者に委託してから、アレルギーや病気の子どもが増えていると感じる。そして、生産者である剛を巻き込んで、3人はその原因を突き止めようとする。

農業や食の問題、「研修生」という名目の外国人労働者の実態など、日本が直面する課題を提示した社会派サスペンス。面白くて一気に読めた。カット野菜やコンビニ惣菜などは買ったことがないが、この本を読んだら、ますます買う気がなくなった。


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北海道の友人からの富良野メロン。甘くてジューシーで美味。
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「鏡の背面」を読む [読書]

天気がいいうちにと9時開店と同時にスーパーに入る。重い物を買いたかったので、連れ合いと一緒に行く。炭酸水4本とポン酢を持たせたが、今日は不平を言わなかった。口癖の「疲れた」も2-3回つぶやいただけ。

篠田節子著「鏡の背面」を読んだ。DVや薬物で心的外傷を負った女性たちが暮らすシェルターが落雷で火事になる。その際、薬物中毒の若い母親と子供を助けるために施設を運営する小野尚子と目の不自由なスタッフが焼死する。ところが、亡くなったのは小野尚子とは別人だったという衝撃的な事実が警察からもたらされる。

スタッフの中富優紀は以前に小野尚子を取材したことのあるライターの山崎知佳とともに、一体何があったのか調べ始める。老舗出版社令嬢で、かつて自分もアルコール依存症だった小野尚子は資産を投げうって、施設を運営し、まるで聖母のように慕われていた女性。いつ、だれが、どのようにして彼女と入れ替わったのか、信じがたい事実が徐々に明らかになる。

久しぶりに読み応えのある作品だった。面白くて、長編ながら中だるみせずに読了。

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近所にまだノウゼンカズラが咲いている。
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「悪寒」を読む [読書]

朝、林試の森まで散歩。風が吹いていて、家に居るよりずっと涼しいなと思いながら歩く。出発時は晴れていたのに、途中から黒い雲が現れて、戻る時に降られた。夏の雨は濡れても気持ちがいい。子供の頃、夕立にあってびしょぬれになり、悲しいより気分が高揚したことを思い出した。

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散歩の途中に咲いていたデュランタ

伊岡瞬著「悪寒」を読んだ。会社の不祥事の罪をかぶって、山形の関連会社に飛ばされ、そこで上司のいじめにあっている藤井。東京の自宅には母・妻・娘が暮らしているが、赴任後8カ月を過ぎたある夜、妻の倫子から不可解なメールが届く。急ぎ上京した藤井に警察から、藤井倫子を傷害致死の容疑で逮捕したという連絡が入る。殺されたのは藤井がいた会社の常務だった。しかも妻は罪を認めているという。どうして妻がと気が動転している藤井に彼の知らない事実が次々と突きつけられる。

真実を語っているのはだれなのか、だれがだれをかばっているのか、真相は二転三転して、意外な結末を迎える。前半は読むのに少々根気が要ったけれど、急展開の後半は一気に読めた。この著者の作品は初めてだったが、他のも読んでみよう。

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お昼は昨日いただいたシソをのせた冷や麦。つけ汁に梅干しをペースト状にして入れた。我が家の冷たい麺を食べる時の定番。さっぱりして美味しい。

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夏野菜の煮物。ナス・パプリカ・万願寺唐辛子を油でサッと炒めてから、出汁で煮た。
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「無花果の森」&「虹の彼方」を読む [読書]

連れ合いのテニスレッスンに同行。雲が太陽を隠してくれて、風も吹いていたので、それほど暑くはなかった。帰りにいつもの“疲れた”が出たが、つぶやきで終わったから、疲労困憊とまではいかなかったのだろう。

小池真理子著「無花果の森」と「虹の彼方」を続けて読んだ。「無花果の森」の主人公の夫は名の知れた映画監督。しかし夫のDVに耐えかねた彼女は夫の元から逃走し、たどり着いた地方の町で、女性画家の住み込み家政婦となる。ところが、自分を知っている人はだれもいないはずの町で、かつて一度だけ会ったことのある週刊誌記者と遭遇。彼もまたある深刻な事情を抱えて、その町に身を潜めていた。行き場のない2人は心を通わせるようになるが、平穏な日々は長くは続かない。孤高の女性画家やゲイバーのママなど周囲の登場人物が魅力的。物語の進行にハラハラ感もあって、面白かった。

「虹の彼方」は、作家と彼の作品を芝居で演じることになった女優との恋愛。それぞれに家庭がある40代の男女が世間の非難をものともせずに上海に逃避行する。理性やしがらみをすべて捨てて、恋情に溺れる中年を描いているが、なんだかくどすぎて、いまいち感情移入ができなかった。


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好きな夏の花、芙蓉
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「大川わたり」を読む [読書]

曇りがちな天気ながら、蒸し暑さが半端じゃなかった。夕方、雷鳴がとどろく中、徒歩20分の病院へ2日目のワクチン接種に行く。行きはかろうじてセーフだったが、帰りはどしゃぶり。風もあったので、傘を差しても下半身がびしょぬれになってしまった。

山本一力著「大川わたり」を読んだ。腕のいい大工の銀次は恋仲だった女と彼を育ててくれた棟梁を失って、博打に手を出し、二十両の借金を作ってしまう。賭場の親分から、深川から追放、金を返すまでは再び大川を渡ってはならない、渡ったら殺すと言い渡される。神田の道場に居候しながら1年間心身を鍛えた銀次は道場主の紹介で呉服商の手代になる。銀次の働きぶりはお店の人たちの間で評判が良かったが、ねたみがもとで再び銀次を陥れようとする悪だくみが待ち受けていた。

懸命に更生しようとあがく男の苦難の物語。江戸の下町の人情もので、後味の良い作品だった。

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途中に咲いていた名も知らぬ花
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「流浪の月」を読む [読書]

しとしとと一日中雨が降り続いた。今日も連れ合いをパン屋に連れ出す。往復10分くらいしか歩かないのに、疲れたとのたまう。午後は、買い物がてら一人で都議選の投票へ。雨のせいか、投票所は人が少なかった。

凪良ゆう著「流浪の月」を読んだ。7-8カ月前に図書館に予約した本で、2020年度本屋大賞受賞作。

仲の良い両親の下、世間の常識に縛られない育ち方をした更紗。父が亡くなり、母が男と出て行ってしまったあと、伯母の家に引き取られる。そこでの息苦しい暮らしから逃れたくて、公園で会った青年の家について行く。その青年、大学生の佐伯は逆に教育熱心な母親に育児書どおりに育てられたが秘密を抱えている。2人の奇妙な同居生活は2カ月に及び、外出した途端、少女誘拐事件の当事者とわかって、佐伯は逮捕、更紗は児童養護施設送りになる。

事件から15年後、24歳になった更紗は恋人と同棲し、ファミリーレストランでバイトをしている。ある日、同僚と行ったカフェで、佐伯に再会。世間はひどい目にあったかわいそうな女の子としか自分を見てくれないが、更紗にとって佐伯は加害者ではなく、世間の常識というプレッシャーから救ってくれた人。更紗と佐伯の間には一切恋愛感情はない。しかし、お互いにとって必要な存在であるという世間からは理解されない絆があった。

本屋大賞を受賞したということで、期待して読んだのだが、心に響くわけでもなく、面白い作品でもなかった。単に好みが合わなかったということか。

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今朝の抹茶。生菓子は露草。

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雨に濡れたアガパンサス
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「天国までの百マイル」を読む [読書]

今朝は雨の音で目覚める。昨日の時点では鍼灸院に行くつもりでいたけど、降りしきる雨を眺めていたら、出かけるのがおっくうになった。結局、2人で家に引きこもり。連れ合いは朝、1階のゴミ置き場にゴミ出しに行ったから、玄関から出たけれど、私は一歩も出ずに過ごす。連れ合いは一日パソコンの前で、時折居眠りしながら映画やドラマの鑑賞。私も本読みの合い間に居眠り。同じような老化現象が出ている。

浅田次郎著「天国までの百マイル」を読んだ。40歳の城所は事業に失敗し、会社も妻子も失い、友達の会社に情けで雇ってもらっている。給料の30万はすべて妻子への仕送りに消えてしまい、ホステスのマリさんに養ってもらっているようなダメ男。心臓病で入院した母親を見舞ったら、主治医からその道の第一人者である教授でも手術は不可能、内科的な対症療法しかない、いつ致命的な発作が起きるかわからないと宣告される。しかし、千葉の田舎町の病院に天才的な心臓外科医がいるから、彼なら手術をしてくれるかもしれないと言われる。母に少しでも長く生きてほしい城所は、知り合いに借りたワゴン車に母を乗せて、奇跡を信じて100マイル(160㎞)先の病院に向かう。

母と息子のそれぞれの思い、マリさんの無償の愛に泣かされる。城所の友人や病院への搬送中に出会う人たちも優しい。天才外科医のキャラクターが最高。,こんな医師に診てもらえたら、病人はだれでも元気になりそう。温かい気持ちになれる作品だった。

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先月いただいた時鮭が一切れ冷凍庫に残っていたので、お昼に鮭寿しにした。焼いてほぐし、酢をふりかけておいた鮭・キュウリ・生姜(丸のまま梅酢に浸けておいたものを千切り)を酢飯と混ぜただけ。
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「人情屋横丁」を読む [読書]

一日中雨模様の天気で、気分もどんより。昨日から明日はお昼のパンを買いに行くと言っていた連れ合い、雨だからお昼はパスタにしようと言ったら、素直に従った。やはり雨の中、出て行くのは嫌みたいだ。私は雨が小止みになったのを見計らって、夕飯の食材を調達にスーパーへ。週末なのに雨のせいでガラガラだった。

山本一力著「人情屋横丁」を読む。小説のようなタイトルだが、食べ物や旅を題材にした随筆集。著者は私と同い年。子供の頃の食べ物にまつわる話など、共感することが多くて、自分の子供時代を思い出した。同世代というのは、生まれ育った場所は違っても、同じ時代を生きてきたから、通じ合うものがある。

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近所で見た珍しいアジサイ
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「ライオンのおやつ」を読む [読書]

昨日も一日引きこもりの連れ合いを外に出すため、八百屋・コーヒー豆屋・パン屋と回ってきた。出かける前から“疲れた”を口にする。家でパソコンの前に座り、動画を見ているのが一番楽みたいだ。

7-8カ月前に図書館に予約してあった、小川糸著「ライオンのおやつ」をやっと読むことができた。瀬戸内海の小島にあるホスピスが舞台。余命を宣告された33歳の女性が「ライオンの家」というホスピスで最後の日々を送るために島にやって来る。そこでは、毎週日曜日に入居者がリクエストしたおやつが一品出る。リクエスト者の名前は伏せて、そのおやつを選んだわけを施設の代表者が読み上げる。様々な人たちの人生の中で忘れられないおやつにまつわるエピソードがじんわりと心に沁みる。

小川さんの著書はほぼ読んでいるが、ほのぼのとした心温かくなる作品が多い。終末期を迎えた人を描いている本作もファンタジックではあるけれど、なんだかほっとするような、救われるような作品だった。こんなホスピスがあったら、入りたい。

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近所のアジサイ。咲き出して1カ月経ったら、色が微妙に変化している。
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「流人道中記」&「大名倒産」を読む [読書]

午前中、鍼灸院へ。午後は連れ合いと図書館に本の返却と借りに行く。今回も連れ合いは返却期間の過ぎた2冊のうち1冊は未読で、またそれを借りて来た。新聞もざっと見出しに目を通すだけなので、本など読むはずもないのだが、長年の習慣だからか、プライドなのか、とにかく本を借りることを止めない。

ここ1週間、浅田次郎さんの作品を読んでいた。「流人道中記」は、姦通罪で蝦夷の松前藩お預けとなった旗本・青山玄蕃と彼を津軽の三厩まで護送する押送人の役目を仰せつかった若干19歳の見習与力・石川乙次郎の奥州街道道中記。真面目で融通がきかない乙次郎は口も態度も悪い青山に苛立つ。しかし、旅の途中で巡り合ったさまざまな事情を抱えた人々に青山が関わり、手助けするのを見ているうちに乙次郎の青山に対する見方が変わっていく。最後に青山がなにゆえに切腹を拒否して、青山家を潰してまで流罪となったのか解き明かされる。天下泰平の世が200年以上続いた結果、形骸化した武家社会の法について、礼節や他人を思いやることの大切さについて語る青山のキャラクターが魅力的。道中のエピソードも盗人や敵討ちの武士までいて、多彩で面白かった。

「大名倒産」は、若き藩主の急逝により突如丹生山松平家三万石の殿様に祭り上げられた小四郎が主人公。藩が膨大な借金を抱え、倒産寸前であることを知り、驚愕する。隠居した前藩主の父は計画倒産をして、最後に庶子である小四郎に腹を切らせればうまくいくともくろんでいる。年3万両の利息が発生するのに1万両しか収入がない藩の再生は果たして可能なのか?深刻なテーマにもかかわらず、内容はおとぎ話。七福神や貧乏神、死神まで登場して、てんやわんやの作戦が繰り広げられる。ちょっとばかばかしい面もあるが、江戸時代のコメディ風経済小説と思えば、それなりに興味深い。

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今の時期、あちこちで見られるよく似た黄色い花。上はビヨウヤナギ、下はキンシバイ。
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「見果てぬ花」を読む [読書]

昨日一日引きこもりの連れ合いを今日は外に出さねばと、近所での買い物に付き合わせる。コーヒー豆焙煎屋でいつものブレンド豆、コンビニで水、パン屋で昼食用のパンを買い、クリーニング屋に寄り冬物のズボンを取って来た。わずか十数分しか歩いていないが、まあいいか。

浅田次郎著「見果てぬ花」を読み終える。2017-2020年にJALの機内誌に連載された41編のエッセイが収録されている。海外や国内での出来事や日常生活での些細ことまで、ユーモア満載で面白おかしく書かれている。思わず笑ってしまう。気分転換にはもってこいのエッセイ集。一気読みせずに、長編の小説を読んでいて、疲れた時に2-3編ずつ読むことにしている。このシリーズは、「つばさよつばさ」、「アイム・ファイン」、「パリわずらい 江戸わずらい」を既に読んだが、いずれ劣らず面白い。

JR東日本の車内誌には沢木耕太郎さんのエッセイ「旅のつばくろ」が毎月掲載されていた。昨年2月までは毎月母に面会に行っていたので、車中でそれを読むのが楽しみだった。今年に入ってからは1月に秋田の温泉に行く際に読んだだけ。まだ、連載されているだろうか。

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あちこちにドクダミの花が咲いている。生命力があって、どんどん増えるみたい。
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「一路」を読む [読書]

連れ合いのテニスレッスンに付き添う。月曜日と違って、風がなかったため、ボールがちゃんとラケットに当たっていた。行きも帰りも、懐かしいテニスクラブの皆さん方のお顔を見ることができて、ラッキー。午後から雨との予報に、皆さん普段より早めにクラブにいらしたようだ。

浅田次郎著「一路」を読んだ。江戸末期が舞台。西美濃の蒔坂家は知行七千五百石の交代寄合旗本で、参勤の義務がある。参勤交代を仕切るのがお供頭。その職にあった父の不慮の死により、息子である若干19歳の小野寺一路がお供頭となる。父からお役目の内容について、一切聞いたことのなかった一路は祖先が記した「行軍録」を頼りに、80人を率いて師走の中山道を歩み、江戸を目指す。

お役目を果たせなければ、家禄召し上げという切羽詰まった状況の中で、懸命に行軍を続ける一路。大雨や大雪、殿様の発熱などのトラブルに加えて、同行者の中に御家乗っ取りを企む一味がいることを知り、行軍は困難を極める。果たして、期限内に無事江戸に着けるか。

殿様はじめ行軍に加わっている家中の者、道中に出会う人たちなど登場人物が多彩で面白い。特に殿様の言動には笑える。読んでいて、中山道を一緒に歩いているような気分になった。泣けて、笑えて、痛快で、すこぶる楽しい時代小説。

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クジャクサボテンが開花。昨年より10日早い。
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「火の粉」を読む [読書]

図書館に予約してあった本の準備ができたとメールが届いたので、開館時間の9時に行き、7冊借りて来た。天気であれば、散歩がてら「にしむら」に鰻を買いに行こうかなと考えていたけど、今にも雨が降りそうな空模様で止める。連れ合いは今日も引きこもりで、時々疲れちゃったとつぶやきながら、ずっとパソコンの前から動かず。

今日借りて来た雫井脩介著「火の粉」を一気読みする。元裁判官の梶間の家の隣に、かつて彼が裁判長として無罪判決を下した武内が越してくる。それは偶然なのか、それとも?と梶間は一瞬うろたえる。梶間の心配をよそに、武内は梶間の母や妻、息子一家ともすぐに顔なじみになり、親切で気のいい隣人として、家族の間に入り込んでくる。やがて、不可解な出来事が次々と起きるようになり、一家に火の粉が降りかかる。

隣人の狂気にじわじわと浸食されていく四世代同居の家族。目の前で殺人事件が起きるわけではないが、背筋が寒くなるような恐怖が立ちのぼってくる。登場人物の背景に嫁姑、介護、児童虐待の問題が散りばめられていて、それらがリアルに描かれている。女性の心理描写が上手いなあと感じた。それにしても、女性陣が介護や家事で大変なのに、元裁判官の父親と弁護士を目指し司法試験受験中の息子があまりに自分勝手であきれた。決して後味のよい作品ではないが、サスペンスとしては面白い。

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近所に咲く都忘れ
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「犯人に告ぐ 1~3」を読む [読書]

今日は2人共、家から一歩も出ずに引きこもり状態。朝は一人で歩きに行こうかなと考えていたけど、なんだか面倒になってしまった。

雫井脩介著「犯人に告ぐ」シリーズ1~3までを読み終えた。
1は、川崎で起きた連続児童殺害事件の捜査が行き詰まり、神奈川県警はある賭けに出る。それは、現役捜査官をテレビに出演させて、自称バッドマンの犯人に呼びかけ、犯人からの連絡を待つというものだった。その役目を仰せつかったのが6年前の誘拐事件の捜査で失敗した巻島警視だった。

2(闇の蜃気楼)は、バッドマン事件から半年後、巻島捜査官は特殊詐欺の摘発に乗り出している。振り込め詐欺グループの一員だった砂山は、指南役で天才詐欺師の淡野から絶対に失敗しない誘拐計画に誘われる。大日本誘拐団を名乗る彼らは、標的を横浜の菓子メーカーの社長と息子に定める。

3(虹の影)は、巻島捜査官は行方知れずの大日本誘拐団の主犯格、淡野を追っている。今度はネットテレビで、″リップマン″こと淡野に呼びかけ、淡野がネットで応答してくる。しかし、淡野は裏で驚くべき取引を仕掛けようとしていた。

警察小説だが、3編ともそれぞれに娯楽性が高くて面白い。1から順に読むのがお勧め。3の主人公は、巻島よりむしろ淡野で、物語として一番印象に残った。

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今朝の抹茶の生菓子は、バラの花。

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昨日、いつもの八百屋でまた台湾産パイナップルを2個購入。サイズは小さいが、1個398円で味に外れなし。台湾を応援しなくちゃと買い始めたパイナップルは既に10個以上。昼に食べて、今夜は冷蔵庫にあった豚肉・パプリカ・タマネギと炒めた。
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「マンガ 認知症」を読む [読書]

快晴なのに連れ合いは外に出る気なし。スーパーに連れて行こうと声を掛けたが、行かないと言われた。買い物は一人のほうがずっと楽だから、ホッとしたものの、引きこもり気味になりつつあるのが心配。

新聞か何かで知り、半年くらい前に図書館に予約していた「マンガ 認知症」が忘れた頃に届いた。認知症の祖母を母と介護したマンガ家、ニコ・ニコルソン(日本人女性)と認知症心理学が専門の佐藤眞一阪大教授の共著。マンガと文章で介護者が抱く疑問を解説している。認知症の人と介護者、両方の気持ちをくみ取りながら、認知症の人の心の中を解き明かしていく。

ニコさんが経験した認知症の人の困った言動例をマンガで描き、佐藤先生が行動心理学的な解説を加えている。読みやすいうえ、とてもわかりやすかった。今までに読んだ認知症関連本の中でダントツの良書。認知症の人の行動には理由があり、それを知ることで介護者の不安も減る、認知症の人は、人と心を通じ合わせることが難しいので、孤独の中で生きている、ケアは相手を思いやることだが、思い通りにならないと介護者はケアからコントロールに陥りやすい、高齢男性はプライドと闘って生きているなど、腑に落ちることばかり。とにかく楽な介護なんてないのだから、少しでも相手の気持ちを知ろうと努力するしかない。

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近所のナデシコ
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「引き抜き屋」を読む [読書]

昨日は祝日のため、今週は金曜日が連れ合いのテニスレッスン日。テニスクラブの前で、久しぶりにEちゃんご夫婦やTさんにお会いできた。レッスンの終わり頃にかつてフロントにいらしたT子さんが寄ってくれ、連れ合いは、″こんにちは″とにこやかに挨拶。最近、だれにも挨拶をしなくなったのに珍しい。クラブ時代、優しくしてもらったのを覚えているのかな。

昨日から読み始めた雫井脩介著「引き抜き屋(1)鹿子小穂の冒険(2)鹿子小穂の帰還」を読み終えた。父が創業したアウトドア会社で役員を務めていた鹿子小穂は、父がヘッドハンターを介して招いた大手商社出身の大槻とことごとく対立し、会社を追われてしまう。ひょんなことから、ヘッドハンティング会社で働くことになった小穂はさまざまな経営者や候補者と接して、ヘッドハンターとしての経験を積んでいく。

ヘッドハンティングの裏側がよくわかって、面白かった。気楽に読むのに最適なエンターテインメント小説。

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今夜のタケノコ料理は、鶏もも肉との煮物。鶏肉はフライパンで焼いて、脂を落としてから煮た。
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「ポトスライムの舟」&「ポースケ」を読む [読書]

今年に入ってから、海外のミステリーや警察小説ばかり読んでいたので、日本の小説にシフトした。読んだことのない作家の作品にしようと選んだのが、津村記久子さんの「ポトスライムの舟」と「ポースケ」。

芥川賞受賞作の「ポトスライムの舟」は、工場で契約社員として働く、大卒29歳の女性が主人公。実家で母親と同居しながら、ほかにバイトもしている。ある日、ポスターを見て、船での世界一周の費用が自分の年収と同じだと気づき、その費用を貯めることにする。彼女の大学時代の友人たちの話が出てくるくらいで、淡々とした日常と彼女の心情が描かれる。読みやすいうえにクスッと笑えるユーモアも散りばめられていて、読後感がよい。

「ポースケ」は、「ポトスライムの舟」に登場した何人かが再び出て来るが、今度は一人一人に焦点を当てている。奈良にあるカフェの店主、そこの従業員、客たちの女性7人のそれぞれにいろんな屈託を抱えながらの日常を作者ならではの鋭い洞察力で描いている。カフェを軸にふとしたことで人とのかかわりが生じ、それをきっかけに前を向いて歩き出そうとする人たち。群像劇のような作品で、とても面白く読めた。ちなみにポースケとは、ノルウェーの復活祭のことだそうだ。

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近所では、もう牡丹も藤の花も咲いている。
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