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「やさしい猫」を読む [読書]

朝起きた時には雨は降っていなかったが、7時半頃から降り始めた。今日の連れ合いのテニスレッスンは中止。レッスンが終わったあとにタクシーで直行すればちょうどよいと、11時に歯科の予約を入れてあった。結局家から向かうことになり、またしても待てない症候群との攻防戦になる。

半年ぶりに歯のチェックとクリーニングをお願いしたが、奥歯2本がゆらゆらしていると言われた。ここ1年で2本抜けてしまっているから、ますます歯周病が進んでいるみたい。先生に毎回丁寧に磨くように言われ、ハイと返事するが、見ていると10秒くらいしかやっていない。髭剃りも入浴も同様で、丁寧さが失われ、何事につけても雑になっている。

中島京子著「やさしい猫」を読んだ。夫を亡くし、シングルマザーで娘を育てながら、保育士をしているミユキさんとスリランカから来て自動車整備士をしているクマさんは東日本大震災の被災地でボランティアをした時に出会う。それから1年後に2人は偶然再会し、付き合いが始まる。紆余曲折を経て、結婚までこぎつけるが、直後に待っていたのはクマさんの国外退去という入国管理局の決定だった。失業して仕事を探している間にオーバーステイになっていたのは事実だが、結婚は日本にいるためにしたと疑われる。本人はじめミユキさんや娘さんが、お互いにとってどんなに大切な家族であるか入管で訴えても聞き入れてもらえない。結局、弁護士を雇って裁判することになる。

入管での理不尽で人権を無視した扱い、難民認定率0.4%という日本の政策、何年も収容されている外国人たちの苦悩など、私たちが知らない現実をクマさんとミユキさんの物語を通して、語られる。スリランカ人女性が入管収容中に死亡した事件は記憶に新しいが、外国人が直面する問題や入管に収容されている人たちの境遇など、知らないことがほとんどだった。外国人労働者がいないと日本は困ると言いながら、受け入れる側も法律も全く国際化していない現状がよくわかった。身近に外国人が増えている昨今、読むべき1冊だと思う。


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散歩していて、よく見かけるランタナ。いろいろな色がある。

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7月から咲き始めたプルメリアの花、この2輪で終わりかな。
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