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『田園の守り人たち』 [映画]

23日まで上映中のフランス映画『田園の守り人たち』を見るため、しばらくぶりで神保町の岩波ホールへ。古い劇場なので、シネコンに比べると設備が劣るが、ここで上映する作品はほかで見られないので、上映館の選択肢はない。

舞台は20世紀初頭、第一次世界大戦下のフランスの田舎。農場の未亡人、オルタンスは、息子2人と娘婿を戦争に送り出していた。男手がないので、若い娘、フランシーヌを雇い入れる。彼女は誠実で働き者。オルタンスと彼女の娘、ソランジュ、それにフランシーヌの3人は戦場の男たちの帰りを待ちわびながら、懸命に農作業に精を出す。戦時中のそれぞれ立場も年代も違う女性3人の物語。

男は皆戦争に取られ、男たちの代わりに働かざるをえなかった女たち。第二次大戦時の日本の田舎とまさに同じ。母から当時の過酷な農作業の様子を聞いたことがあったので、国や時代が変わっても銃後の女たちは同じような状況に置かれていたのだなあと思いながら見た。

セリフが少なく、静謐な映像が心に残る。田園風景や農作業の様子がまるで絵画のよう。こんな映像美にあふれた作品にはめったにお目にかかれないなあと満足して帰路についたが、連れ合いは少々退屈だった様子。

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近所で見かけたガザニア
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