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「台湾生まれ 日本語育ち」を読む [読書]

雲ひとつない青空が広がり、テニスコートからは富士山が見えた。連れ合いのレッスン日だったので、付き添ってタクシーで往復。テニスの調子は良かったが、帰りのGOタクシーがなかなか到着せず、不機嫌に。電車で行くとか言い始めたが、キャンセルするとキャンセル料を取られるのよとなだめているうちにタクシーがやって来た。乗車した途端機嫌が直る。全く子どもと同じ。


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お昼は、鯖の水煮缶・タマネギ・マイタケでおつゆを作り、冷凍うどんを入れた。

11時にお昼を食べて、さっさと散歩に出る。膝が痛かろうが、家に居たくない気持ちが勝る。あまり速足で歩かないようにして、林試の森へ向かう。いつもは園内を一周するが、膝の負担を減らすために紅葉のきれいな所だけ見て、カフェに寄った。来週末はクリスマス用にワインも置くそうなので、楽しみ。


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本日の林試の森。紅葉がまだ見頃。

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ビールのお供はチーズケーキ。

温又柔著「台湾生まれ 日本語育ち」を読んだ。2016年日本エッセイスト・クラブ賞を受賞した作品。台湾に生まれ、父の仕事で3歳から日本に住むことになった著者の言語をめぐるエピソードを通して語られる台湾の歴史や日本社会。著者は日本の幼稚園から大学院までずっと日本語で育ったので、物事を考えるに際して、日本語が一番しっくりくるという。両親は台湾語まじりの中国語を話し、母はそれに日本語も混ぜるので、著者はママ語と名付ける。台湾の祖母は日本統治時代の人で、台湾語や中国語があまり話せない著者とは日本語で会話する。両親は大陸から逃れてきた蒋介石の国民党政府から中国語を強制された世代で、中国語で教育を受けた。そういう環境の中で育った著者は、自分の母国語は何かと考えざるを得ない。

日本に生まれ、母国語は日本語だけという日本人にとっては、統治者が変わる度に国語を変えられた台湾の人たちの戸惑いや苦しみを真に理解するのは難しい。でも、かつて日本が他国にしたことを知るのは必要だと思う。台湾に観光で訪れて、日本語を話す高齢者に会っても背景を知っていれば、いろいろなことが聞けるはず。日本語がお上手ですねという会話だけで終わらせるのはもったいない。
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「当確師 十二歳の革命」を読む [読書]


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今朝の抹茶

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日曜の朝はおかゆ。今朝はサツマイモとギンナン入りのおかゆにした。

朝散歩に出る時に一緒に行く?と連れ合いに声を掛けたら、行かないとの返事。昨日は誘わないのについて来られて焦ったが、一体どういう気分だったのか理解不能。昨日の時点で明日はパン屋に行くと何度も言っていたが、今日になったら忘れたのか、全くパン屋のことは口にしなかった。お陰で「待てない症候群」に煩わされることがなく、ほっとする。11時にこれからパン屋に行くけどと声を掛けたら、マスクは?ジャンパーは?帽子は?と聞いてくる。10分ほどの歩きだったが、陽射しがあって暖かいし、少しでも外に出たのでよかった。


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今朝の洗足池

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紅葉が見頃を迎えているが、まだ葉が緑のモミジもあるので、今月末まで楽しめそう。

連れ合いが借りたけど読まない本、真山仁著「当確師 十二歳の革命」を読んだ。当選率99パーセントを約束するやり手の選挙コンサルタントが現職首相の選挙区で首相を落選させてほしいという依頼を受ける。そのためにはだれを対抗馬にするかという調査から始まって当選させるまでの選挙の裏側を描いた話。荒唐無稽な内容ではあるが、面白く読めた。
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「希望の糸」を読む [読書]

青空は歓迎だけど、全く雲がないのも面白くないなと思いながら、7時を回った頃に歩き出した。朝日を浴びながらのウオーキングは実に快適。ある精神科医の朝の散歩が一番効果ありという説に納得してしまう。林試の森に入った途端、枯葉の匂いがする。ベンチに座っていたら、木の葉がハラハラと舞い落ちてきて、いよいよ晩秋に近づいているのを実感。


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本日の林試の森。紅葉しているのはアメリカトネリコという木。

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目黒線緑道のハナミズキが色づいている。デュランタはまだ咲いているが、ムクゲや酔芙蓉は終わり、剪定されていた。

帰りにスーパーで買い物をすませたので、外に出る用事がなくなり、家で本を読んだり、豆を煮たりして、のんびり過ごす。今日の連れ合いは怒鳴りもせず、穏やか。パン屋が休みで出かける用事もないため、待てない症候群もでない。天気が良いから、どこかに連れ出そうかとも思ったが、散歩で疲れたからいいやと自分優先にしてしまった。


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あちこちで秋のバラが真っ盛り。

友達が読み終えたからと送ってくれた東野圭吾著「希望の糸」を読んだ。久しぶりの加賀恭一郎シリーズだったが、今回は加賀の存在は薄くて、部下であり従弟の松宮が捜査の中心。小さな喫茶店の女性オーナーが店で殺されているのが発見される。被害者について語られるのは善人という評判のみ。トラブルを抱えていたという話もないし、全く犯人の目星がつかない。捜査一課の松宮は常連客の1人と被害者の元夫について探っていくうちに、事件の背後に隠された秘密を探り当てる。

不妊治療をめぐる家族の絆がテーマで、同時進行で松宮自身の出生の秘密も明かされる。犯人は意外な人だったが、いまいち動機に納得できなかったため、ミステリーの要素が薄まった感じがした。


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北海道の友達からの花豆を煮て、いつもいろいろ差し入れをしてくださるマンションの方におすそ分けした。
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「東大教授、若年性アルツハイマーになる」を読む [読書]

朝から雲ひとつない晴天。7時過ぎに林試の森目指して歩き出す。ボランティアで目黒線緑道の花の手入れをしている方に久しぶりにお会いした。しばし世間話をする。林試の森は割と人が少なく、気持ちよく歩けた。


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本日の林試の森

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途中に咲いていたバラ

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ノボタンはまだ花盛り。

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おとなしくカメラ目線になってくれた飼い猫

何カ月か前に図書館に予約してあった若井克子著「東大教授、若年性アルツハイマーになる」を読んだ。著者は2006年に59歳にしてアルツハイマー病と診断された若井晋東大教授(当時)の奥さまで、ご主人が2021年に亡くなるまで介護された。

診断される数年前から異変が起きていたらしく、手帳に漢字を忘れるようになったので日記をつけると記され、漢字の練習の痕跡も残っていた。もともとは脳外科が専門だったが、東大では国際地域保健学教室の教授で年に何度も開発途上国へ出張し、精力的に仕事をこなしていた。しかし、ATMでお金を引き出せなくなったり、昔なじみの場所にたどりつけなかったり、海外の空港で迷ったりと見過ごせない出来事が続く。

診断後に東大を59歳で早期退職し、夫婦で一時沖縄に移住。その後は自宅のある栃木に戻り、病気を公表したあとに認知症当事者として講演活動もする。しかし、病気は容赦なく進行し、やがてデイサービスに通うが、なじめずにちょっとしたトラブルで止めてしまうというのを二度繰り返す。寝たきりになってからは週3回デイサービスに行き、在宅の時は朝夕ヘルパーさんが訪問。最後は嚥下性肺炎で入院し、コロナ禍で病院では看取ることができないため、自宅に連れて帰って、家族で看取った。

脳外科医だったからこそだれよりも認知症を恐れ、なかなかそれを受け入れられなかったご主人に寄り添い、支え続けた著者には頭が下がる。お二人共クリスチャンであり、信仰にもとづく強さもあったと思うが、それでも著者は共に歩むことの難しさを吐露している。認知症の家族会で教えてもらった「ダメ三原則」が大切と書いてあった。それは、1.怒らない。2.ダメと言わない。3.押し付けない。

日頃の連れ合いへの接し方を省みて、三原則を心に刻むことにした。


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朝、連れ合いがパン屋のことを口にしなかったので、安心して散歩に出たが、戻ったら今日はパン屋だと言うではないの。またしても早めに行ったため、クリームパンはまだだったが、アンパンは焼き上がったばかり。連れ合いはアンパンとソーセージパン、私はカボチャアンパンとハムにくるまったホウレンソウとホワイトソースが入っているカルツォーネにした。
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「やわらかなレタス」を読む [読書]

今日は朝から陽射しが降りそそぎ、風もなく穏やかで暖かい一日。7時前に散歩に出かけたが、帰り道で久しぶりに汗をかいた。日曜日の朝の林試の森は結構な人出だったので、昼間はかなりのにぎわいだったにちがいない。


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今朝の抹茶。生菓子は栗で、中に栗が入っていた。

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おかゆに刻んだ菜花を最後に入れた。

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本日の林試の森。ボール拾いをやらされた犬がご褒美に餌をもらっているのを見たカラスが、傍で自分も食べたいと鳴いていた。

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目黒線緑道に咲いている花

10時半頃にお昼はなに?と連れ合いに聞かれた。昨日はおにぎりだったから、今日はパン屋に買いに行くつもりと答えたら、すぐさまマスクをつけ、ジャンパーを羽織って出かけようとする。11時過ぎないとパンが焼き上がっていないと押し止めるも、20分しか待てなかった。当然、連れ合いのお目当てのアンパンもクリームパンも焼き上がっておらず、二番目に好きな栗アンパンとソーセージパンにする。11時になってからパン屋に行こうと誘うつもりだったのに、お昼のことを先に言い出されてしまい、試みが失敗に終わる。

江國香織著「やわらかなレタス」を読んだ。週刊文春に連載されたエッセイをまとめた随筆集。食べものをめぐる情景が著者独特の感性で描かれている。続けて読まずとも、気が向いた時に手に取って2-3編読むと、なんだか気持ちが落ち着き、ホッとする。
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「白鳥とコウモリ」を読む [読書]

朝は雨が止んでいた。曇りの予報だから大丈夫だろうと連れ合いのテニスレッスンの準備をしていたら、霧雨のような雨が降り出し、弱いながらも徐々に絶え間なく落ちてくるようになった。残念だが諦めて、8時にキャンセルする旨のメールを出す。

午後には雨が止んだので、昨日も引きこもりだった連れ合いをスーパーに行くけどと誘ったら、珍しく行く気になってくれた。大して重いものは買わなかったが、卵と納豆8袋(1袋90g入りだから結構な重さ)を持ってもらう。いつもの”疲れた”は聞こえてこなかった。往復で20分ほど歩いたから、少しはテニスの代わりになったかな。


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昨日、歯科医院に向かう時に見かけた花。カボチャの花が立派だった。

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お昼は冷蔵庫の中にあるもの(パプリカ・ピーマン・エリンギ・ハム)を入れて、パスタ。

図書館に予約したことさえ忘れていた東野圭吾著「白鳥とコウモリ」を読み終えた。ある弁護士が東京で殺され、捜査を続けるうちに意外な人物にたどり着く。犯人は34年前に愛知で起きた殺人事件に関係していた。逮捕後はすべて自供したため、事件は簡単に解決すると思われた。ところが、犯人が語った父親の言動に納得できない被害者の娘と父親が殺人を犯すような人物とは到底思えない加害者の息子が偶然出会い、協力して真実を突き止めようとする。そして、驚くべき真相が明らかになり、事件関係者に耐え難い悲しみと苦しみをもたらす結果になる。

久しぶりに東野さんの作品を読んだ。単なる謎解きではなく、さまざまな人間模様が描かれていて、面白かった。どんどん読み進めたい気持ちに駆られ、2日で読了。
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「やさしい猫」を読む [読書]

朝起きた時には雨は降っていなかったが、7時半頃から降り始めた。今日の連れ合いのテニスレッスンは中止。レッスンが終わったあとにタクシーで直行すればちょうどよいと、11時に歯科の予約を入れてあった。結局家から向かうことになり、またしても待てない症候群との攻防戦になる。

半年ぶりに歯のチェックとクリーニングをお願いしたが、奥歯2本がゆらゆらしていると言われた。ここ1年で2本抜けてしまっているから、ますます歯周病が進んでいるみたい。先生に毎回丁寧に磨くように言われ、ハイと返事するが、見ていると10秒くらいしかやっていない。髭剃りも入浴も同様で、丁寧さが失われ、何事につけても雑になっている。

中島京子著「やさしい猫」を読んだ。夫を亡くし、シングルマザーで娘を育てながら、保育士をしているミユキさんとスリランカから来て自動車整備士をしているクマさんは東日本大震災の被災地でボランティアをした時に出会う。それから1年後に2人は偶然再会し、付き合いが始まる。紆余曲折を経て、結婚までこぎつけるが、直後に待っていたのはクマさんの国外退去という入国管理局の決定だった。失業して仕事を探している間にオーバーステイになっていたのは事実だが、結婚は日本にいるためにしたと疑われる。本人はじめミユキさんや娘さんが、お互いにとってどんなに大切な家族であるか入管で訴えても聞き入れてもらえない。結局、弁護士を雇って裁判することになる。

入管での理不尽で人権を無視した扱い、難民認定率0.4%という日本の政策、何年も収容されている外国人たちの苦悩など、私たちが知らない現実をクマさんとミユキさんの物語を通して、語られる。スリランカ人女性が入管収容中に死亡した事件は記憶に新しいが、外国人が直面する問題や入管に収容されている人たちの境遇など、知らないことがほとんどだった。外国人労働者がいないと日本は困ると言いながら、受け入れる側も法律も全く国際化していない現状がよくわかった。身近に外国人が増えている昨今、読むべき1冊だと思う。


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散歩していて、よく見かけるランタナ。いろいろな色がある。

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7月から咲き始めたプルメリアの花、この2輪で終わりかな。
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「小鳥来る日」を読む [読書]

昨夜はいつもより30分早い9時半就寝だった。5時に目を覚まし、隣の人を起こさないように静かに布団の上で体操していたら、連れ合いが5時半に起きだして、新聞を取りに行く。そのまま2人共起床して、6時半には朝ご飯を終えたので、洗濯・掃除は後回しにして散歩に出る。

北風が吹いていて、半袖シャツ姿では涼しすぎるくらいだった。洗足池の橋の上で、Tシャツをまくり上げて、背中を朝日に晒している男性がいた。気持ち良さそうですねと声を掛けたら、ありがとうございますと返された。イントネーションから外国の人だったみたい。昨日の林試の森でも、若い男性3人が上半身裸で、ベンチに寝転んでいた。今の時期は人も甲羅干ししたくなるのかな。


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本日の洗足池。まだノカンゾウやフヨウが咲いている。キンモクセイはあっという間に満開になった。

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洗足池に向かう途中、中原街道沿いに咲いていたキダチチョウセンアサガオとタイタンビカス。

朝はすっかり秋の風情だったが、昼近くに連れ合いとパン屋まで出かけた時にはまるで夏のような暑さ。北海道では10月としては観測史上初めて30℃を超えた所があったとか。温暖化はますます進行しているのか、なんだか不気味。

平松洋子著「小鳥来る日」を読んだ。毎日新聞の日曜版に掲載された72編のエッセイが収められている本。さりげない日常の出来事を軽妙な筆致で描いている。どれもそれぞれに面白かった。長編の小説を読む気力がない時はエッセイを読むに限る。


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お昼のパンは、栗アンパンとカレーパン。

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弟からのパプリカ・シイタケ・生キクラゲに冷蔵庫にあったピーマンを加え、鶏もも肉と炒めた。
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「旅 ドロップ」を読む [読書]

昨夜の連れ合いの就寝時間は6時半。そのあと私は彼のデスクで本読みをしていた。部屋をリフォームした時に居間と和室の寝室の間の戸をなくしてしまったため、連れ合いが先に寝てしまうと居間の隅にある私のパソコンも読書用のリクライニングチェアも使えない。結局慣れない椅子での読書は疲れて、私も8時半に床に入る。

今朝は4時半起床となり、せっかく早く起きたのだからと6時15分に散歩に出た。朝はまだ雲があったが、空気が澄んでいて、とてもいい気持ち。6時台の洗足池はたくさんの人が歩いていた。3日間洗濯しなかったので、帰宅してから3回も洗濯機を回す。昼間は快晴で最高の洗濯日和。昼近くに連れ合いとパン屋へ。3日ぶりの外出だった。


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今朝の抹茶。先週のテニスレッスンは水曜日で、いつもの和菓子屋は定休日だった。いただきものの求肥と栗が入ったお菓子をお供にする。

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本日の洗足池

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まだまだムクゲが咲いている。

江國香織著「旅 ドロップ」を読んだ。先日、図書館に本を返しに行った際、書架から何気なく取り出した本。旅にまつわるエッセイで、1編が1000字ほどのJR九州の車内誌に掲載されたエッセイ36編、それに番外編1編、詩3編が収録されている。久しぶりに江國さんの作品を読んだが、文章がとにかく上手い。そして、物事を見る視点に感心させられる。短い文章なのに、いずれも読者を引きつけるエッセンスが散りばめられていて、読後感がよかった。

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友人たちは遂にサンチャゴ・デ・コンポステーラに到着。11年前に私が歩いたのは、たったの114㎞だったが、大聖堂の前に立った時はうれしかったことを思い出す。
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「光の山」を読む [読書]

朝一番に鍼灸院へ。2つ先の駅まで30分歩いて、電車に乗った。帰りは最寄り駅近くのスーパーで買い出しをして、帰宅。その後は引きこもっていた。

玄侑宗久著「光の山」を読んだ。福島県三春町在住の芥川賞作家で、臨済宗の住職でもある玄侑宗久さんが東日本大震災2年後に発表した6編からなる短編集。想像を絶する体験をした被災者たちの悲しみ・苦しみをさまざまなエピソードを通して、描いている。著者自身も被災者の一人として、震災後いろいろな場所で原発事故以後の福島の現状を発信していたが、小説を書かずにはいられなかったとあとがきで述べているように、フィクションでしか伝えられない思いがあったのではなかろうか。

6編の中で「アメンボ」が一番心に残った。放射能が怖くて幼い娘を連れて北海道に移った母親と地元に残る彼女の夫と友達一家の物語。放射能に超敏感な人とある程度割り切って暮らす人の溝を埋めるのは数値だけでない。お互い歩み寄れないもどかしさの中で、別の人生を選択せざるをえない人たち。胸がえぐられるようだった。

実は浜通りに住んでいた高校のクラスメートの1人もご主人を残して、息子さんと北海道に移住したらしい。クラス会にはよく出席していた人なのにその後の消息がわからない。今、どうしているかしらと時々思い出す。


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花が赤いカンナ

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ルリマツリはブルーがほとんどだが、たまに白も見かける。

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デュランタ
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「ふたりぐらし」を読む [読書]

朝、5日ぶりに林試の森へ。半袖で歩いたら、涼しすぎるくらいだった。昨日の雨でぬかるみもあったが、しっとりとした空気の中を歩くのも気持ちがいい。


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本日の林試の森

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目黒線緑道に咲く花。酔芙蓉は朝のうちは白い。

家に戻り、帰りがけにスーパーで調達した野菜で、ピクルスを仕込む。連れ合いを外に連れ出すだめ、昼近くにパン屋へ。まだ店が開いていない、11時にならないとアンパンもクリームパンも焼き上がらないと何度言ってもマスクをして出かけようとする。1時間にわたる攻防戦の末、仕方なく、開店時間の10時半に出発。当然、お気に入りのパンはなく、ほかのパンにした。パン屋に行くと告げるのが早過ぎたと反省。待てない病は治りそうにないわ。


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キュウリ・セロリ・パプリカ・ニンジン・タマネギを入れた。手抜きで、飯尾醸造のピクルス酢を注いだだけ。パプリカは常に国内産を探すが、今日は釧路産を発見。

桜木紫乃著「ふたりぐらし」を読んだ。映写技師で映画脚本家を目指す夫と看護師の妻とのつましい暮らしを通して語られる夫婦の物語。彼ら2人を取り巻く、夫の母親、妻の両親、妻の同僚、夫の雇い主など、さまざまな夫婦の形が描かれている。10編の連作短編集で、著者のほかの作品とは違って、淡々とした語り口の中に温かい眼差しが感じられる。読みやすく、ほのぼのとした気持ちになれる作品だった。
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「いい湯じゃのう(一~三)」を読む [読書]

明け方まで雨が降っていたらしく、朝刊がビニールでパックされていた。いつも思うけど、パックする必要ってあるのかな。洗濯・掃除を終えてから、いつもより遅い時間8時半に散歩に出発。洗足池は犬の散歩時間が過ぎたらしく、閑散としていた。人形を抱いてパパと散歩していた可愛い女の子に会う。1歳8カ月だそうだが、人形を見せてくれて、バイバイしてお別れした。


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本日の洗足池

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途中の家々に咲いていた花

帰りがけにいつもとは違うスーパーに寄り、買い物をする。レジで順番待ちしている時、前の人のかごの中身を眺めながら、その人の食生活を想像するのが楽しい。今日は80代とおぼしき身なりのよい女性で、ほとんどが少量パックのお惣菜。レタスを切ったサラダ風もあった。あとはみかんとロールパン数個入りを1袋。食材らしきものは一切なし。一人暮らしで作りたくないんだろうな、私も10年後はそうなるかもと思いながら、見ていた。

風野真知雄著「いい湯じゃのう(一~三)」を読んだ。新聞の新刊文庫本の紹介欄で見て、図書館に予約しておいた本。地方新聞何紙かに連載されたのち、3冊の文庫本になった。八代将軍、徳川吉宗は身体の凝りがひどく、熱海の湯を江戸まで運ばせて、その湯に浸かって身体をほぐしていた。ところが、湯が届かなくなり、お庭番の権蔵とくノ一のあけびを探索に向かわせる。何者かによる陰謀らしいとわかるが、黒幕がはっきりしない。やがて、吉宗のご落胤と噂される山伏が登場し、彼を利用して幕府転覆を企む者たちが姿を現す。

将軍が旗本と身分を偽って銭湯に行ったり、銭湯で町人たちと謎解きをしたりと、奇想天外な物語だがユーモアがあって、気楽に読める。それなりに面白かった。この作家の作品を読んだのは初めて。福島県出身らしい。


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連れ合いと一緒にパン屋に行き、お昼はパン。私はジャガイモとチーズがのったトーストと枝豆・ドライトマト入りフランスパン。

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スーパーで買ったエノキとシメジの根を切り、ほぐして、味噌汁用に冷凍にした。あと一品具がほしい時に便利。
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「タイムトラベル 世界あちこち旅日記」 [読書]

天気予報では9時頃から雨となっていた。どうしようかと迷ったが、降られたら戻ればいいと折り畳み傘をリュックに入れて、7時半近くに散歩に出かける。洗足池に着いて、一周しているうちに降り出した。初めはポツポツだったが、急に本降りになり、帰りの30分で足元が濡れてしまった。古いウオーキングシューズを履いたため、防水が効かなくなっていて、ソックスが染みになる。早く新しい靴を買いに行かねば。


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今朝の抹茶

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日曜の朝ご飯はおかゆ。モロヘイヤとベーコンの残りを細かく刻んで入れた。

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本日の洗足池

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たくさんの朝顔に会えた。朝顔を育てている人が少なくなったのかなあと思っていたら、今からが見頃らしい。そう言えば、テニス仲間に苗をいただいて育てていた時、花の盛りが9月だった。

帰宅してネットニュースをチェック、大谷選手が勝ち投手になったことを知る。途端に元気が出た。それから、大谷選手関連のユーチューブとイチローさんのマリナーズ球団殿堂入りのセレモニーを観た。奥さんはもとより通訳だった方が一家そろって出席していたし、大谷選手もお祝いのビデオメッセージを寄せていた。英語でのイチローさんのスピーチは半分くらいしかわからなかったけど、球場に詰めかけた満員の観客から笑いをとっていたから、アメリカ的ジョークを織り交ぜていたみたい。それにしてもアメリカのセレモニーはなごやかで、エンタテインメントにあふれていて、いいな。

友達が貸してくれた、益田ミリ著「タイムトラベル 世界あちこち旅日記」を読んだ。1987年、著者18歳の時の初めての海外旅行から始まって、2019年までに訪ねた23ヵ国の旅の思い出を綴っている。半分は自分が行ったことのある国なので、読んでいていろいろな思い出がよみがえってきた。特に台湾とチェコは著者と同じような場所に行き、同じようなものを食べたので、感慨深い。著者が行った国で一度行きたかったなあと思ったのはフィンランド。映画『かもめ食堂』を観て以来、憧れていたが、乗り換えのためヘルシンキ空港に二度降りただけで、終わってしまった。

二十数回訪れた台湾最後の旅は、2018年12月だった。
https://clifton.blog.ss-blog.jp/2018-12-07

一昨年に連れ合いの元同僚の方たち4組の夫婦で、台湾に行く計画があったが、コロナで頓挫。もう連れ合いは国内でも遠出は無理なので、残念ながら台湾への再訪はない。
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「駒澤大学仏教学部教授が語る 仏像観賞入門」を読む [読書]

朝から昼近くまで雨降り。雷鳴が聞こえ、土砂降りの時もあった。雨が止むのを待って、お昼を食べてから、図書館とスーパーへ。本を借りたあと、久しぶりに30分ほど雑誌を読んできた。まだ倦怠感があるので、ウオーキングは控える。

先だって床屋さんに行った際、「駒澤大学仏教学部教授が語る 仏像観賞入門」(集英社新書)という本を借りてきた。著者の村松哲文教授は仏教美術が専門で、床屋さんと私たち夫婦の共通の知り合い。

飛鳥・奈良時代から平安・鎌倉・室町・江戸時代までの仏像について、特徴や変化(顔・身体表現・素材の変遷など)を写真を使いながら、わかりやすく説明している。そして、同時にインドで生まれた仏教が中国から日本にもたらされ、どういう変遷をたどったか、仏教と政治との関わりなど、歴史的なことも仏像を通して知ることができる。

全く知らなかったことばかりで、この本を読んでいれば、仏像を見た時にいろいろな視点で鑑賞できただろうなと思った。寺巡りするなら、必携の本。


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ピンクのキョウチクトウ

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ヤナギバルイラソウは、メキシコ原産の帰化植物
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「そして、バトンは渡された」を読む [読書]

散歩に出ようとしたら、ザアーっとにわか雨が降った。少し待って、傘持参で8時近くに出発。一雨降ったせいか、風が涼しく感じられた。林試の森は、早朝より空いていて、静かでよかった。


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本日の林試の森

瀬尾まいこ著「そして、バトンは渡された」を読んだ。本屋大賞受賞作で映画化されたが、観ていない。

優子は3歳で母親を事故で亡くし、小学2年の時に父親が再婚。継母、梨花と3人で暮らすことになる。梨花になついて平和で幸せな日々を送っていたが、3年後に父親がブラジルに転勤になる。梨花はブラジルには行かないと言う。どちらと一緒に暮らすか選ぶように言われ、学校を変わりたくない一心で継母と暮らすことを選ぶ。結局父親と継母は離婚し、その後、実父は再婚、継母の梨花は優子を連れて二度再婚し、離婚。一方、高校生になった優子は梨花の再婚相手で、20歳しか年が違わない森宮と二人暮らしをしている。何度も苗字が変わり、何人もの血のつながらない親と暮らした優子が結婚するまでの話。

物語としては面白いが、現実離れしたファンタジーな作品。家族の形態はさまざまであるけれど、実際にはこんな人間関係はありえないだろうなと思う。小説だからと言われれば、それまでだが、いまいち心に響くものがなかった。


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もう終わりかと思えたノウゼンカズラが再び咲き誇っていた。

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モミジアオイ

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雑草のヘクソカズラ
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「三トンとふびん」を読む [読書]

7月最後の日は猛暑日が戻って来た。朝、おかゆを食べていたら、汗が吹き出す。6時でこんなに暑いなら、昼間は出られないと洗濯は後回しにして、6時半にウオーキングに出かけた。林試の森に着いたら、まだ7時なのにすごいにぎわい。昼間は暑すぎるので、朝か夕方にやって来る人が多いのだろう。

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日曜の朝は、抹茶とおかゆ。

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目黒線緑道を通って、林試の森に向かう。大好きな真夏の花、酔芙蓉が咲き始めていた。朝は白くて、太陽の光を浴び、徐々に薄ピンクから濃いピンク色に変わっていく。

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本日の林試の森。バテて、ぐったりしているイヌがいた。

帰宅して洗濯をしたあとは、一歩も出ず家でゴロゴロ。いつもはお昼を食べてから冷房をつけるが、今日は11時頃から入れた。遮光カーテンを引き、ブラインドを下ろし、ひっそりと本を読んだり、動画を観たりしていたが、洗濯物を取り込むのにベランダに出たら、とんでもない暑さ!灼熱地獄で、頭がクラクラした。老人は家でじっとしているしかない。

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一昨日、林試の森から戻る時に商店街を通ったら、かつて食べたことのあるラーメン屋が店頭で、焼豚を売っていたので、試しに買う。昨夜はカラシで、今日のお昼は冷や麦の中華風のトッピングで食べた。なかなか美味しい。

吉本ばなな著「三トンとふびん」を読んだ。予約したのを忘れていた本で、6編からなる短編集。身近な人を失くし、喪失感を抱えた主人公たちがそれぞれ旅先で再生していく物語。舞台は、ヘルシンキ、ローマ、台北、香港、金沢、八丈島。淡々としたストーリーの中に優しさ、悲しみがにじみでていて、じんわりと心が温かくなる作品。この暑い時期には長編小説より短編集がいい。
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「キッドの運命」を読む [読書]

明日は雨との予報に、2回洗濯機を回し、珍しく丁寧に拭き掃除をする。連れ合いが借りていたDVDの返却期限が過ぎたことに気付き、開館時間に2人で図書館へ。また『男はつらいよ』と『釣りバカ日誌』各2巻ずつ借りて来た。2週間繰り返し観ることになる。飽きずに観ているから、内容をすぐに忘れてしまうのだろうな。

いつもより2時間半遅れで、散歩に出発。風が吹いていて、気持ちよく歩けた。9日間の猛暑日を経験してしまうと、30℃くらいの気温はどうってことなくなる。

歩き出してすぐに同じマンションの80代後半のご夫婦にバッタリ。奥さんがご主人を乗せた車椅子を押して、近所の医院から帰るところだった。少し立ち話をする。歩ける時に歩いたほうがいいわよとハッパをかけられた。このご夫婦に会うと、何年後かの自分たちの姿だなといつも思う。


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本日の洗足池

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途中で目にした花

中島京子著「キッドの運命」を読んだ。6編からなる短編集。二度の地震と原発事故で首都が福岡に移り、日本という国が滅亡状態にある。そういう状況の中で生きている世代や立場の違う人たちの近未来の物語。

AI、ロボット、遺伝子操作、安楽死、人工子宮などの生殖技術、アメリカ企業が独占している種の問題などがテーマになっていて、興味深い。初めはありえないと思いながら読んでいたが、読んでいるうちにありえる未来かもと思えてくる。「種の名前」と「赤ちゃん泥棒」が面白かった。
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「宴の前」を読む [読書]

9時に鍼灸院に予約を入れ、8時に家を出て洗足池へ。そこから大岡山に出て、電車に乗った。40分の歩き。帰宅後、今日が返却期限の本を返しに図書館へ。10時過ぎるとさすがに暑い!なんだかんだと今日は1時間15分くらいは歩いた。

今日の散歩で出会った人との会話。登校途中の5年生くらいの男の子に〇〇小学校?と聞いたら、ハイと元気な返事が返ってきた。家から学校までどのくらいかかるの?と尋ねたら、10分ですと。近くていいわね、おばさんはド田舎だったから学校まで40分かかったんだよと言ったら、遠い!と。もう1人は2年生くらいのマスクをした女の子を送り出していたお母さん。マスクをしなきゃいけないなんてかわいそうですねと言ったら、本当にそうなんですよ。いつになったら、マスクなしで登校できるのやらと嘆いていた。


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本日の洗足池。ハナショウブはほぼ終わり。

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トンボ

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夏ハギの蜜を吸う蝶

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あまり通らない道を通ったら、いろいろなバラに会えた。

堂場瞬一著「宴の前」を読んだ。ある県で三期目を終える知事が引退すると明言。自分の後継者として副知事を考えていたが、本人や周囲に告げる前に急逝してしまう。ちょうどその時期に県出身のオリンピックメダリストである40代の女性がどこの政党の推薦も受けずに知事選への出馬を表明する。知事は与党と後継者選びを画策するが、候補に挙がった代議士が身体検査ではねられたりして、これぞという人材が見つからない。一方、女性候補者の人気は高まるばかり。そこで、知事はある決断をする。

知事とその有力支持者、党の重鎮たち、女性候補者とその支援者たち、地方紙の記者たちなどの思惑や実態がリアルに描かれていて、面白く読めた。地方選挙の中身はこんなものなのかもと思わせる内容だった。
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「冠・婚・葬・祭」を読む [読書]

今日も真夏日との予報に、朝のうちじゃないと散歩は無理だわと7時に家を出る。まだ太陽が高く昇る前で、道路の片側は日陰となっている。しかも風が吹いていたので、暑さを感じずに快適に歩けた。洗足池は普段の朝より人がいたが、マスクなしで歩く。今朝は犬を散歩させていた男性、11カ月のお子さんといた若いお母さん、歩き回る1歳半のお子さんのあとを追いかけていたお父さん、小学生の男の子とクワガタを探していたお母さんに話しかけて、ちょっとずつお話した。一人旅で身に付けた、旅を楽しむ術のひとつ。


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本日の洗足池

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ガマやハンゲショウが池の周りに群生している。

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ツユクサ

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目黒線緑道で見たネジバナ

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去年出会った見事なノウゼンカズラが咲く家の前をしばらくぶりに通った。花をを眺めながら、歩き始めてから1年経つのかと感慨深かった。

昼近くには連れ合いと例のパン屋へ。朝と違って、じりじりと太陽が照りつけて暑かった。疲れたとつぶやき通しだったが、聞こえないふりをする。夕方には一人で魚屋へ刺身を買いに行く。しばし、おしゃべりして帰って来た。

中島京子著「冠・婚・葬・祭」を読んだ。地方紙の新人記者が成人式の取材に行き、勘違い記事を載せてしまう「空にディアボロを高く」(冠)、長年縁結び役を務めてきて引退した世話好きおばさんが、もう一度だけと懇願されて取り掛かったお見合い斡旋の顛末「この方と、この方」(婚)、社命で施設に入所している老女の付き添いで葬儀に参列する「葬式ドライブ」(葬)、両親亡き家に姉妹家族が集まって、お盆をする「最後のお盆」(祭)の4作短編集。

短い物語の中にさまざまな人間模様と人生が描かれていて、興味深い。「この方と、この方」と「最後のお盆」が面白かった。


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夕飯は火を使わないものばかり。魚焼きグリルで、さつま揚げを焼いただけの手抜き料理。
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「のろのろ歩け」を読む [読書]

朝ご飯の後片付けのあと洗濯をしたため、少し遅くなったが7時半に散歩に出た。林試の森はそよそよと涼しい風が吹き抜け、気持ちのよいこと。やっぱり散歩は朝に限る。駅周辺以外はマスクなしで歩いたので、忘れていたいろいろな花や木の香りを感じることができた。


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本日の林試の森。走る、歩く、犬の散歩、紙飛行機飛ばしといろんな人がいる。

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途中の家に咲いていたノウゼンカズラとバラ

中島京子著「のろのろ歩け」を読んだ。「北京の春の白い服」、「時間の向こうの一週間」、「天燈幸福」の3編からなる短編集で、いずれも女性が主人公。「北京の春の白い服」は、1999年春に創刊予定の中国女性向けファッション誌の仕事で北京に出張するフリーの編集者が文化の違いに戸惑いながら、発刊に向けて奮闘する話。「時間の向こうの一週間」は、夫の駐在先、上海にやって来て、夫が仕事で上海を離れている間、現地の案内人とアパートを探す妻が体験した一週間の話。「天燈幸福」は、台湾に留学していたことがある亡き母の知り合いと思われる台湾のおじさん三人を娘が訪ねる話。

舞台となっている都市は行ったことがある所ばかりで、どの話も面白かった。特に「天燈幸福」は、20回以上行っている台湾が舞台なので、地名・駅名が知っているものばかり。読んでいて、いろいろなことが懐かしく思い出された。タイトルの「のろのろ歩け」は、「慢慢走」の直訳。北京の屋台の主から発せられた言葉で、主人公が同行していた日本人留学生にどういう意味かと尋ねる。「さよなら」だけど、同じさよならでも、再見はSee you again、慢慢走はTake care で、のんびり行けやくらいの意味だと答える。なかなか含蓄のあるお言葉。困難にぶつかったら、マンマンゾウとつぶやくことにしよう。
中島さんの作品は、どれも読後感がよくて好き。


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冷凍保存してあった時鮭をムニエルにした。レモンがなかったので、常備している酢タマネギをのせて食べたら、ぴったり。
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