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「星落ちて、なお」を読む [読書]

今朝の散歩はめったに行かない戸越公園へ。この公園も片道30分でちょうどよい距離なのだが、そこに至る道は車が多いうえ、歩道が狭いので、あまり足を向けない。朝だったせいか、車も人も少なく、以前昼間に歩いた時より快適に歩けた。


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今朝の抹茶

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戸越公園は、かつては細川家の下屋敷だった。

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侘助が咲いていた。

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戸越公園向かいの文庫の森に寄ったら、アオサギがいた。洗足池から移動したのか、それともいつもここにいるのか。


澤田瞳子さんの直木賞受賞作「星落ちて、なお」を読んだ。画鬼と呼ばれた絵師、河鍋暁斎の娘とよ(河鍋暁翠)に焦点を当てた作品。父は常に師匠であり、とよは娘ではなく弟子として扱われながら育つ。父亡きあと、あまりに大きな存在だった父を乗り越えられずに苦しみながらも絵師として生きていかざるをえなかったとよの生涯を描いている。

澤田瞳子さんの作品は昨年かなり読んだが、歴史物でも江戸は新しいほうで、ほとんどが平安以前の時代設定が多い。この作品は明治から大正で、日本画の世界も江戸の流派から急激に変わっていった時代。狩野派の流れを汲む父の絵を追い求めながらも、自分独自の絵をともがくとよの苦悩と焦りが冴えた筆致で表現されている。難しい言葉も出てくるが、読み応えがあった。
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