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「ザリガニの鳴くところ」を読む [読書]

春本番のような暖かい日。お昼はパンと決めていたが、連れ合いが言い出さないので、黙っていた。11時になってパン屋に行って来るけど、どうする?と聞いたら、行くとの返事。今日は「待てない症候群」の対応をせずに済んでラッキー。


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今朝の抹茶

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おかゆは、干し貝柱・ゆり根・ギンナン入り。

図書館に予約したことさえ忘れていた「ザリガニの鳴くところ」を読み終えた。動物学者、ディーリア・オーエンズが初めて書いた小説で、2019、2020年にアメリカでベストセラーになった作品。

舞台は1950-60年代のアメリカ南部ノースカロライナの湿地帯。物語は村の青年の死体が発見されるところから始まる。その捜査状況と捜査対象になった女性の物語が交互に語られる。

父親の暴力に耐えかねて、兄姉そして母までも家を出てしまい、6歳のカイアはたまにしか帰らない父と暮らすことになる。しかし、その父も戻らなくなり、10歳にして独りぼっちになった彼女は父のボートを操り、獲った貝を売ることで生きてゆく。友達は湿地にいる野性動物たちで、学校にも行っていないため、字も読めない。ある日、兄の友達だったテイトと出会い、字を教えてもらうようになる。村の中心部には近寄らず、貝を買ってもらう黒人夫婦としか付き合いのなかったカイアだが、テイトを通して本が読めるようになり、生物学に興味を持つ。大学生になったテイトが去ってしまったあとは村の青年チェイスと付き合うが、彼はほかの女性と結婚。やがてカイアが22歳になった時、テイトの計らいで長年集めた貝殻の標本とその絵をもとにした本が出版されることになる。ところが、その1年後、カイアは殺人罪で逮捕されてしまう。

「湿地の少女」と呼ばれ、偏見と差別の中で生き抜いた少女の成長物語。自然観、動物の生態、恋愛観、ミステリーとさまざまな要素がからみあって、読みごたえのある作品になっている。久しぶりに500ページ超の本を読んだが、面白かった。


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昨日の散歩で出合ったスイセンとクリスマスローズ。
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