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『鬼に訊け 宮大工 西岡常一の遺言』 [映画]

強風との予報にテニスは諦め、恵比寿の東京都写真美術館ホールに映画を見に行く。連れ合いが見て面白かったというドキュメンタリー映画『鬼に訊け 宮大工 西岡常一の遺言』を見た。

棟梁として、薬師寺金堂、西塔を再建し、最後の宮大工と言われた西岡常一さんのドキュメンタリー。名前だけは知っていたが、すごい人だったんだというのが見ての率直な感想。

宮大工三代目の西岡さんは、お祖父さんの方針で農学校にやられる。工学校ではなく農学校というのが腑に落ちなかったが、そこで学んだことがのちのち役立つことになる。木を扱う大工は、その木の育った土壌から環境まで知らなければ、うまく使いこなせないという。千年の樹齢の木を使った建物は千年持つらしい。

道具も必要に応じて作る。電動カンナで削ると表面が毛羽立ってしまい、濡れるとそこからかびが生えたりする。そのため、一部は電動カンナを用いても、ほとんどの部分は手で削る。とにかく効率だけを追求する現代のやり方と相反する、気の遠くなるような作業が続く。

はるか昔の技術を研究して、自分のものとし、ゆるぎない自信のもと、妥協せずに突き進む姿がカッコイイ。西岡さんから発せられる言葉は、含蓄に富み、ずしんと胸に響くものばかり。これだけの人はもう出て来ないだろう。建築に限らず、物作りに携わる人は必見の作品。

私は読んでいないが、父の書棚に西岡さんの著書があった。父がガンで余命数カ月と診断され、あわてて両親と京都に行った際、父の仕事関係の方と食事をした。その方は私と同世代だったが、父と西岡さんの話で盛り上がったのを思い出した。連休に帰省したら、西岡さんの本を読んでみようと思う。

映画のあと、美味しいものを食べたいなあ、どこでお昼を食べようかと考えていて、そうだ、しばらく行っていないラシェット・ブランシュに行こう!と電話する。お待ちしていますとの返事にタクシーを拾って四の橋に向かった。今日はまるで女子デーで、若い女性6人グループに2人グループと客は女性ばかり。賑やかで、よかった。

グラスでシャンパンと赤ワインを頼んだが、前菜のホタテとホワイトアスパラを食べ始めたら、白ワインも飲みたくなり追加。結局、グラス3杯飲み干す。食べたい時に一人で楽しむフレンチもまたよし。

食べた料理:
○アミューズ:ベーコンとチーズのトースト
○前菜:帆立貝のポワレとフランス産白アスパラガス
○主菜:仔鴨胸肉のロースト 
○デザート:いちごのタルト

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明日から4月8日までブータンなので、ブログは休みます。
コメント(2) 
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コメント 2

りえりんまる

あぁ、西岡常一…

わたし、30代の半ば頃
琵琶湖畔の渡岸寺の十一面観音の写真を見て以来
数年間仏像ブームに浸ってたんですけど、
その流れでこの方のご著書を数冊読んで、
今から思うと、小さな人生の転機でした。

何が?…と言われると
上手く言えないのですが、
ずっと私の中には
「普遍的な本質」って
どういうことだろう?
みたいな問いがあるんですね。

読後感として
「あぁここには、時代が変わろうと揺るがない
絶対的な本質が書かれている」
って思ったんです。

私の花の師匠にも通じている
絶対的な本質。

うちにも本ありますので
よかったらどうぞ ^_^

けこさんとこんな話が出来るなんて
なんか嬉しいなぁ♪

by りえりんまる (2012-03-31 13:55) 

clifton

りえちゃん、コメントありがとうございました。
今朝、ブータンから戻りました。

“絶対的な本質”は、ブータンにも当てはまるのではと
ふと思いました。空気も時間の流れも全く異なる所で
過ごした1週間がまだ自分の中で消化されていません。

そうそう、ブータンにも有名な西岡さんがいましたよ。
既に亡くなられた方ですが、ブータンの農業発展に貢献し、
ブータン農業の父と呼ばれた西岡京治さんです。
by clifton (2012-04-08 15:31) 

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