『ゲンポとタシの夢見るブータン』

今朝の朝刊の「ひと」欄に、ドキュメンタリーを撮ったブータン人監督が載っていた。ブータンの映画なら見なきゃとポレポレ東中野に行く。

ブータンのブムタンで１０００年以上続く古刹を守ってきた家族に密着したドキュメンタリー。急速な近代化の波が押し寄せるブータンで旧来の価値観で生きる親とネット時代にゲームやSNSに興じる子供の世代が描かれる。

１６歳のゲンポは父親から僧院で学んで、寺院を継ぐことを期待されているが、決めかねている。１５歳の妹、タシは体は女性でも心は男で、ブータン初のサッカー代表チームに入ることを夢見ている。急激に変化する社会で、どう生きていけばよいのか、若い２人には決心がつかない。

ブータンは鎖国政策をとっていたので、テレビが見られるようになったのは、わずか20年前。インターネットの普及でいまや世界中にアクセスできるようになっている。この状況が若者たちに影響を与えないはずはない。ブータンと言えば、GNH（国民総幸福量）が有名だが、ネットによって物質的な豊かさを享受したいと思う若者が増えるのは当然だろう。

6年前にブータンに行ったが、自分の子供の頃の田舎の風景がそのまま残っているような国だった。自分も田舎から都会へ脱出を図ったから、よくわかるけれど、外の世界を知ってしまうとそこに戻ることは難しいのではと思う。ゲンポが寺院を継ぐかどうか、とても興味があるけど、映画の中ではわからないままだった。


近所のひいきの居酒屋で夕飯。お店を手伝っている、会津田島出身の店主のお義母さんから、お盆休みに帰省した話を聞く。９５歳のお父さんがお元気で、まだ畑仕事をしているとか。羨ましい！