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「高瀬庄左衛門御留書」を読む [読書]

霧雨が降っていたが、朝のうちは傘を広げるほどではなかった。今朝の林試の森は人が少なくて、地面も木々もしっとりとぬれていて、静寂に満ちていた。梅雨時の森はなかなかよい。


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本日の林試の森

昨日はパン屋が休みで引きこもりだった連れ合いと、昼近くにパンを買いに出かける。こちらで出かける用事をつくらない限り、自分からどこに行きたいとか外に出たいと言わないので、外出させるためには策を練らねばならない。

砂原浩太朗著「高瀬庄左衛門御留書」を読んだ。いつ予約したのか忘れていたが、直木賞候補作の中から選んだものと思われる。

十万石の神山藩で郡方を務める庄左衛門は50歳。妻を亡くし、今また同じ郡方の23歳の息子を事故で失ってしまう。息子の嫁であった志穂は実家に戻るが、庄左衛門に絵を習うためと称して、弟を伴ってかつての婚家に時々やって来る。ところが、淡々と仕事に励み、志穂に教えながら好きな絵を描いていた庄左衛門は思いがけず藩の勢力争いに巻き込まれてしまう。

青年時代の道場仲間とのエピソード、亡くなった息子への思い、庄左衛門と志穂の間に交わされる情など、人生の喜び、悲しみ、諦めを美しい文章で表現している。読んでいて清々しい気持ちになれる時代小説だった。


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ムクゲとザクロの花を今年初めて見た。

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八重のクチナシ

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今にも崩れ落ちそうな廃屋に咲くアサガオ

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名前の知らない花
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