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『人魚の眠る家』 [映画]

曇天で寒い一日。今季初めてコートを着た。午前中は家で本読みをして、午後から品川の映画館へ。『人魚の眠る家』を見た。

原作は東野圭吾の小説だが、読んでいない。娘の小学校受験が済んだら離婚することになっていた夫婦に突然悲劇が起きる。6歳の娘がプールで意識不明になり、医師から回復の見込みはなく、脳死状態だと告げられる。両親は呼吸器を使って生かし続けるか、死を受け入れるかの選択を迫られ、苦悩する。

一度は臓器移植を承諾したが、娘の指が一瞬動いたのを見た母親は娘は死んではいない!と生かすほうを選ぶ。ⅠT機器メーカーの経営者である夫は若い技術者の研究成果を娘に応用することを思いつく。その延命治療の結果、娘は穏やかに眠っているような姿を取り戻すが、母親の期待が次第にエスカレートしていく。やがて、母親の狂気とも言える行動が家族や周囲に軋みを生じさせる。

脳死が死なのか、心臓停止が死なのか、考えれば考えるほど難しい問題で、娘の死を受け入れられない母親の気持ちが痛いほど伝わってくる。主演女優の熱演もあって、見ている方も心が苦しくなるほどで、疲れた。また、科学はどこまで人の生死にかかわることが許されるのかというテーマも含んでいて、いろいろと考えさせられる作品だった。

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帰りに目黒の「とんき」で夕食。
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