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「小さいおうち」を読む [読書]

中島京子著「小さいおうち」を読んだ。本作は直木賞受賞作で、山田洋次監督で映画化されている。何年も前に観たが、原作は読んでいなかった。

昭和の初め、東北から東京に女中奉公に出てきたタキが主人公。ある時から夫婦と5歳の息子の一家が住むモダンな小さな家の住み込み女中になる。タキは家族全員から頼りにされ、家族の一員のような扱いを受けながら懸命に働く。やがて戦争の影が忍び寄り、平和だった一家の暮らしにもさまざまな影響が出てくる。戦争末期になると、タキは山形の実家に戻される。そのため空襲には遭わなかったが、ご主人様夫婦は防空壕で亡くなってしまう。

60数年後、老齢に達し、甥の住む茨城で余生を送るタキがノートに書きつけた自叙伝をもとに物語が進行する。タキが亡くなったあとにそれを読んだ甥の息子がタキの秘められた真実に気付き、物語を見事な結末へと導く。

中島さんの著書はこれで4作品読んだが、どれも物語の組み立てが上手いなあと感心した。そして、結末はどうであれ、読後感がいい。どの物語を読んでも、人生を肯定できるような気持ちになれる。


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本日の洗足池。イチョウの木が芽吹き、ツツジやレンゲソウが見頃になる。

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カルガモの雌が草の中で卵を抱いていて、外で雄が見張りをしているのよと毎日来ている人に教えてもらった。蛇に卵やヒナを飲まれてしまったりするため、育つ確率は低いらしい。

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お昼はいつものパン屋に買いに行く。連れ合いは定番のアンパンとクリームパン。
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